マザー症候群

 「・・・どうすっか」
 游がはあはあ言いながら美波に凛の容態を尋ねた。
「命には別条ないみたいよ。運の強い子ね」
 「そうっすか。良かった」
 游が安堵の表情を浮かべた。
 「で、凛はなぜ?」
 游には、なぜ美波の目の前で凛が腕を切ったのか、理由がよく分からなかった。
 「聞きたい」
 「聞きたいっす」
 游が少年の顔で質問の答えを待った。
 「あなたが命ですって」
 「俺が」
 「だから、私が游に手を出すなら死ぬって それで、ナイフで自分の腕を切ったの。負けたわ。恋する乙女には」
 美波 恋する乙女には脱帽だ。
 「本当っすか」
 游が信じられないという顔をした。


 
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