高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
雨はあがったみたいだけどまだ空には厚い雲が伸びている。

藤崎社長と二人、シェアオフィスビル1階にある洋食のお店へと向かう。

ここは藤崎社長の同級生が営業していると、行きのエレベーターのなかで藤崎社長が話してくれた。

藤崎社長が手がけた集客用のアプリを提供した最初のお客様がこのお店だったとのこと。

確かグルメ情報誌に載っている常連のお店だった気がした。

何度、由基にこのお店に行きたいっていっても連れていってもらえなかったお店だ。

お店へと向かっていくが、入り口へと吸い寄せられるようにお客が入っていくのがみえる。

昼と夜、営業しているけれど、昼はサラリーマンやOLの人たちでごった返している。

ランチが早くて安くて美味しいと評判だからだ。

オフィスビルの1階だというのに、外観は木がふんだんに使用されたつくりで、なかに入ると、黒や茶色を基調とした今時のアメリカンカフェ風のモダンな内装になっていて、くつろぎやすい空間になっている。

入ってそうそう、藤崎社長の顔をみた店員がすばやくガラス張りの奥の席を案内してくれた。

黒い革張りのソファに藤崎社長と向かい合わせに座る。

「初出勤祝いを兼ねてのランチ会ってことにしようか。僕がおごるよ。好きなもの選んで」

「は、はい」

二つのランチメニューのうち、わたしは鶏肉と香味野菜の和風パスタ、藤崎社長は魚介のペスカトーレを頼んでいた。

「豪勢にいきたいところだけど午後も仕事があるからごめんよ」

「え、謝らないでくださいよ」

気さくに笑いかける藤崎社長の姿をみて、素敵すぎて目が合わせられなかった。
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