高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
調子が狂いそうなところで頭の上に書類ケースをぽんと軽く乗せられている。

「ほら、ぼさっとしてないで、さっさと行くぞ。ほら、これ資料」

「は、はい」

書類ケースをつかみ、中身を確認する。いろんな見積書や企画書がぎっしりつまっていた。

「準備できたか。行くぞ」

と、時頼さんに腕をつかまれるようにして会社を出る。

気分転換でいいかな、と思ったんだけど、それが間違いだったのかもしれない。

「つむぎ、カバン持て」

「は、はい」

手渡された茶色の手提げカバンと書類ケースの二つを持つ。

それほど重くはないので荷物持ちは別にいいんだけど。

「ったく、使えるアシスタントになれよ」

意地悪な言い方しなければかっこいいのにな、と心の中でつぶやく。

仕事だから仕方ないか、と思いながら、会社から歩いて数分のビルへと到着する。

美容系の製品を扱っている代理店だった。

「フジサキコンサルパートナーの藤崎時頼です」

対応する責任者の女性も目がハートになっているのは横にいてもよくわかる。

「弊社が作成するホームページの更新と美容に関するアプリ開発についてでしたね」

と、さくさく話が進んで行く。

女ったらしで意地悪なのに、仕事に関しては真面目だ。

あたりまえだけど。
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