高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
「片桐ちゃんさ、時宗のこと、どう思う?」
唐突に質問が後ろから降ってくる。
仕事に集中していたのに、くるりと後ろを向くと二階堂さんがわたしの席の後ろに腕を組んで立っていた。
もちろん藤崎社長は仕事の打ち合わせで外出している。
「社長として素敵な存在ですよ」
「それだけ?」
「え、ええ、そうですけど。で、一体なんなんですか」
「時宗、気にしてるみたいなんだよ、片桐ちゃんのこと」
そんなこと言われても、藤崎社長がわたしのこと勝手に期待しているだけだし。
「どうやらかかえてる仕事が進まないみたいなんだよね」
「……そうですか」
邪魔なのかな、と思った。
確かにわたしは出向先からきてるのだし、社長の迷惑をかけないように仕事のお手伝いをしなくちゃいけないのに。
どうしたものかと考えあぐねていると、時頼さんが事務所にやってきた。
「出向先から戻ったのか、星彦」
「おー、ヨリ。お疲れ。一応半々でやってるよ」
「順調そうなのか?」
「開発はね。あとの研究は教授次第なんだけどさ」
と、二階堂さんは、いたずらな目つきでこちらを向いていた。
「業務に支障きたすなよ。ひどかったら……」
「あー、はいはい、大丈夫。珍しいじゃん。ヨリが心配するなんてさ」
そういって二階堂さんは上機嫌にクスクスと笑っている。
「べ、別に関係ないだろう」
二階堂さんの軽めな発言に時頼さんは珍しく困った顔をした。
「で、ヨリは片桐ちゃんとはどう?」
「デートすることになった。しかも兄貴つきで」
「デートか。じゃあ、俺も混ぜて」
二階堂さんは白い歯をくっきりみせつつ、右の人差し指で自分を指した。
「親睦会なんだろう。俺もいなきゃ話にならないじゃない。ねえ、片桐ちゃん」
「え、あの」
「いいとこ知ってるんだよね。あー楽しみ楽しみ」
と、わたしの意見も聞かず、二階堂さんはスーツの内ポケットからスマホをとると、操作しながら口笛を吹いている。
唐突に質問が後ろから降ってくる。
仕事に集中していたのに、くるりと後ろを向くと二階堂さんがわたしの席の後ろに腕を組んで立っていた。
もちろん藤崎社長は仕事の打ち合わせで外出している。
「社長として素敵な存在ですよ」
「それだけ?」
「え、ええ、そうですけど。で、一体なんなんですか」
「時宗、気にしてるみたいなんだよ、片桐ちゃんのこと」
そんなこと言われても、藤崎社長がわたしのこと勝手に期待しているだけだし。
「どうやらかかえてる仕事が進まないみたいなんだよね」
「……そうですか」
邪魔なのかな、と思った。
確かにわたしは出向先からきてるのだし、社長の迷惑をかけないように仕事のお手伝いをしなくちゃいけないのに。
どうしたものかと考えあぐねていると、時頼さんが事務所にやってきた。
「出向先から戻ったのか、星彦」
「おー、ヨリ。お疲れ。一応半々でやってるよ」
「順調そうなのか?」
「開発はね。あとの研究は教授次第なんだけどさ」
と、二階堂さんは、いたずらな目つきでこちらを向いていた。
「業務に支障きたすなよ。ひどかったら……」
「あー、はいはい、大丈夫。珍しいじゃん。ヨリが心配するなんてさ」
そういって二階堂さんは上機嫌にクスクスと笑っている。
「べ、別に関係ないだろう」
二階堂さんの軽めな発言に時頼さんは珍しく困った顔をした。
「で、ヨリは片桐ちゃんとはどう?」
「デートすることになった。しかも兄貴つきで」
「デートか。じゃあ、俺も混ぜて」
二階堂さんは白い歯をくっきりみせつつ、右の人差し指で自分を指した。
「親睦会なんだろう。俺もいなきゃ話にならないじゃない。ねえ、片桐ちゃん」
「え、あの」
「いいとこ知ってるんだよね。あー楽しみ楽しみ」
と、わたしの意見も聞かず、二階堂さんはスーツの内ポケットからスマホをとると、操作しながら口笛を吹いている。