高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
ホテルの最上階、レストランのある階に到着する。

エレベーターを降りると手前に受付があり、スタッフに二階堂さんが声をかける。

明かりを落とした受付の廊下を奥に進んだプライベートルームに案内された。

絶対に普通ならこんなところで食事なんてすることなんてない。

由基に一度だけいってみたいと告げたことがあったけれど、そんなところ行かなくても二人だけで過ごすのが一番いいだろうと一蹴されたのを思い出した。

「片桐ちゃん、緊張してるの?」

「こういうところはじめてなので」

「そうでしたか。てっきりつむぎさんは来ていると思っていましたが」

と、藤崎社長はいたずらにクスクスと笑っている。

二階堂さんは率先してプライベートルームのドアを開ける。

広々とした部屋の真ん中にオープンキッチンが備わり、L字のカウンターテーブルの窓際の奥に時頼さんが座っていた。

「遅いよ、なにやってるんだよ」

と時頼さんがむすっとしている。

わたしが端に座ろうとしたとき、歓迎会だから今夜はこちらですよ、と藤崎社長が時頼さんの左隣の椅子をひいて待っていてくれた。

ずらりと勢揃いするだけで、なんだかドキドキする。

スタッフの方がテーブルにシャンパンが入ったグラスを並べてくれた。

藤崎社長がシャンパングラスを手に取ると、時頼さんも二階堂さんもグラスを持つ。

わたしも同じくシャンパングラスに手をのばした。

「それでは、素敵な仲間と大切なひとに乾杯」

シャンパングラスを傾ける。

口にシャンパンを含むとしゅわしゅわと溶けていく。

わたしが口にしているとき、三人ともわたしをみつめていて、なんだか気恥ずかしかった。
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