高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
淡い照明に照らされ、みんなキラキラと輝いている。

ドキドキしながらもおいしいお料理とお酒で時間が経つのを忘れてしまう。

藤崎社長と二階堂さんは次の仕事について話しはじめていた。

右横の視線がさっきから気になる。

「つまんないか、つむぎ」

右隣でじろりと冷たい目線を送っているのは時頼さんだった。

「いえ、こういうところ慣れてなくて。時頼さんは慣れてるんですよね。あの例の女の人とか」

「ああ。つむぎと違ってな」

と、時頼さんが自慢げに鼻で笑っている。

「でも、すぐ逃げられちゃうんだよね、本命は。な、ヨリ?」

と、さっきまで藤崎社長としゃべっていた二階堂さんはツッコミをいれている。

「星彦さん、うるさいですって」

ヨリにまで怒られちゃったよ、まったく兄弟揃ってかかってこられちゃったよ、としょんぼりしながら藤崎社長に体を傾けている二階堂さんに、調子に乗りすぎと藤崎社長に怒られていた。

「て悪かったな。なんか、かたつむりだって言って」

「時頼さん、別にいいんです。ちょっとつらい気持ちになっただけで」

みつめると、時頼さんは顔を赤く染めながら、

「な、なんでもねえよ。バカみたいにうまそうに食いやがって。だからもちっとしてるんだよ」

右の頬を長くて細い左手の人差し指でぷにぷにと触られた。

「ちょっとやめてくださいってば」

「まったく、ツンデレさんだね、ヨリは」

と、二階堂さんは茶々を入れながら口を押さえて笑っている。

その横でわたしをじっとみつめながらお酒を傾けているのは、藤崎社長だった。
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