高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
「僕ならいくらでも受け止めますよ」

太く長い指先がわたしのこぼれ落ちそうな涙をすくってくれた。

連絡もよこさない由基はわたしよりも数倍以上きれいでスレンダーで身なりのいい格好をしていた女と一緒にいた。

やっぱりわたしは由基にとっての大切な彼女じゃなかったのかな。

由基を大切にしようと思っていたのに。

野生的に満ちた目でみせられるだけで、甘く情熱的な雰囲気がこの部屋を包み込む。

「……藤崎社長」

「僕じゃ、嫌ですか」

「……でもわたし、まだ彼のことを」

藤崎社長はソファから立ち上がり、そばにあるベッドにわたしの背中を押し付けた。

「忘れさせてあげましょうか」

ベッドからギシッという音をたてながら、藤崎社長はわたしの体の上にまたがった。

広くて大きな体で、由基よりもごつごつとした体つきだと洋服の上からでもわかる。

藤崎社長の体の重みを感じ取りながら、耳元に荒い息がかかる。

「なぐさめますよ、いやではなければ」

藤崎社長はそういって強くくちびるを重ねる。

息をしようと口を開けた瞬間、するりと舌が忍び込んできた。

舌から逃げようとするのに、すぐに舌が追い、絡められる。

くちびるや舌が藤崎社長によって強引に奪われていく。

「さあ、もっと忘れるにはどうしたらいいんでしょうね」

くちびるから離れ、首筋に舌を這わせていく。

藤崎社長の指先がわたしの体の線をなぞっていく。久々に触れる部分が過剰に反応をみせる。

「……ふ、藤崎、しゃ、社長」

「どうしましたか? 僕の指で身悶えていますけど」

「あっ……ん、いやっ……」

一箇所だけ集中していた部分から身体中の振動が伝わる。

藤崎社長のシャツにしがみつきながら、その指先によって、わたしひとりだけ解放された。
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