高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
「昔から藤崎兄弟の家は裕福で、英才教育もしてたから優秀でね。学生時代からweb関係のコンペで受賞してるんだよね。今もいろいろと考えてるんじゃない。もっと上を目指そうって」

「そうですよね。これで満足しなさそうですよね」

「未開拓の地はどんどん開墾して開発しちゃうんじゃないかな。あれだけかっこいいと寄ってくる女はイチコロだったから」

「そ、そうですよね」

「つきあってほしいと懇願しても、きっぱり断ってた。さおりさん以外は」

あんなにかっこよくてやさしければ誰だってころっといってしまうだろう。

さらにあんなことをされてしまって、と考えただけで体の芯がうずいてしまう。

「さおりさんとは学生時代から馬があってた。さおりさんにもらったジャケット、今でも大切にしてるんだよな」

最初にあったときに着ていたジャケット、ほころんでもずっと着ていたのはそういうことだったんだ。

「まあ、関係ないよね。片桐ちゃんには彼氏いるんだから」

「……え、ええ」

胸の奥がうずく。

彼氏がいることをわかって、社長にも婚約者がいて。

こんな地味なわたしだから近づいたってことなんだろうか。

だから契約彼女ってことでうまいこと利用したってことなのか。

そんな卑怯なこと、思いたくない。

少しずつ藤崎社長に想いが傾いてしまっている自分がいた。

わたしには彼氏がいるのに。
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