高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
わたしを抱きしめたまま、棚と棚の隙間の壁にわたしを押し付ける。

「理由もなしに不満な顔をされては困りますね」

藤崎社長はすっと顔を近づけてそのままキスをしてきた。

やめてと、口を開いた瞬間、舌が侵入してきた。

首をふってディープキスから逃れようとしたそのすきに、藤崎社長の大きくて長い指がスカートの奥へ進んでくる。

驚いてそのまま藤崎社長のキスを受け入れてしまった。

しばらくして唇から離れた藤崎社長は荒く息をしながら狙いを定めた雄のような目をして視線を注ぐ。

「どうしました? 土曜日の夜のことは忘れたわけではありませんよね」

触られただけなのに身体中の熱がこみあげてくるのがわかる。

「さあ、理由をいいだすまでやめませんよ」

「とっ、時頼さん、二階堂さんが帰ってきますって。あっ、い、いやっ」

抵抗しようとしてもなぜだか身体が勝手に抵抗をやめてしまっている。

ぎゅっとグレーのジャケットの裾をつかんでいた。

「どうしてでしょう。離そうとしませんね、僕の指を。これをどう説明するのでしょうか」

「あっ、それはっ」

がくがくと足元がおぼつかない。

答えを言おうとしても熱い息とともに甘い声が出てしまう。

震えながらやめて、といってもやめてはもらえない。

指は絶えず溶け出した部分を集中的に攻撃を繰り返し、立っていられなくなる。

頭が真っ白くなった瞬間、力が抜けるのと同時に藤崎社長はわたしを支えてくれた。
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