高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
もう一度イチから資料を作り直し、時頼さんにみてもらった。

時頼さんにも手伝ってもらって1時間ぐらいで完了した。

「確認お願いします」

「チェックOKだ」

「お疲れ様でした」

「ちょっとだけ手伝え」

と、時頼さんは机の下に置いてあった段ボールを机に乗せる。

「これを棚に戻したいんだけど、いいか?」

時頼さんが棚を指差しただけなのに首筋の跡が少しだけジンジンと傷んだ。

段ボールを棚の前に置き、中から資料を取り出し、棚の中へと収めていった。

「藤崎社長のこと、知ってますよね」

「そりゃあ兄貴だ。大抵のことは知ってる」

「婚約者のさおりさんのことは」

横に立つ時頼さんの手がとまり、じっとわたしを見つめた。

「……それ、二階堂さんからの情報か?」

「は、はい」

「ったくおしゃべりだな。さおりさんのこと、どれほど知ってるんだ」

「着ていたジャケットをあげたひとがさおりさんで、ぐらいしか」

「そっか。まだ想い続けてるんだろうな、兄貴は」

わかってはいたけれど、やっぱりぎゅっと胸が痛む。

反動をつけて段ボールから大きな資料を取り出すと、足がもたれて後ろへ倒れそうになった。

「時頼さん」

時頼さんがわたしの背中を支えてくれた。

「ば、ばか、そんなフラフラしてるから悪いんだよ。まあもちっとしてるからいいのか」

「ご、ごめんなさい」

「……わからないよな、俺の気持ちなんか」

時宗さんはそのまま、わたしを後ろからぎゅっと抱きしめた。
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