高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
顎をぐいっと上にもちあげられ、藤崎社長の顔が近づくと、荒々しく唇を押しあててきた。

「んっ、ふ……藤崎、社長」

何度も体をねじらせながら抵抗をみせるも、しばらく唇を離してはもらえなかった。

頭の中は真っ白で互いの唇の境がわからなくなってきた頃、ようやく解放してもらえた。

「たっぷりキスさせてもらいましたよ。いつもよりも一段とねだるような顔をしていましたからね」

藤崎社長は荒く息をしながら、まだ足りないのか、親指の腹でわたしの唇に触れた。

ずいぶんと藤崎社長から唇や舌で体を刺激されていたというのに、指の腹から伝わる藤崎社長の熱が体の温度を急上昇させる。

「……そんなことはありません」

ぷいっと顔を背けて唇にあてていた親指を払う。

「欲しがるならもっと差し上げますよ。つむぎさんのことはもっと知りたいですからね」

「知りたいだなんて。これ以上したら」

「したらどうなるんでしょう」

「……社長への気持ちが」

ふいに社長への想いが言葉に出てしまった。

こんなこと言いたくなかったのに。

藤崎社長は口角をあげ、小首を傾げて目を細めている。

「僕の気持ちがどうしたんでしょう」

「な、なんでもありません」

「かわいいですね。ますます気に入りましたよ、つむぎさん。早くその続きが聞きたいところですが、これ以上つむぎさんの声を聞いていたら、今度は僕の気持ちがどうなっていくかわかりませんから、今日はこの辺で。お疲れ様」

と、まだ熱が残る頬に軽くキスをされた。
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