高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
白いブラインドをさげ、バスタブのお湯をためた。

スマホをのぞくと二階堂さんから連絡があった。

『助けにいく。時間を稼いでおいて』と返信があった。

すぐに部屋番号を返信しておいた。

これからどうやって時間を潰せばいいんだろう。

バスタブのお湯があふれそうになったのであわててバルブをしめた。

「のぼせてるかと思ったらまだ入ってなかったのか」

浴室のドアを開けて時頼さんが入ってきた。

「緊張して……」

「その先のことわかってるくせに。もったいぶるな」

ぐいっと腕をつかまれ、ベッドにまた押し倒された。

「だからわたしには他に好きなひとがいて」

「今すぐ、すべてなくせばいいだろ。俺がすぐにでも忘れさせてやる」

時頼さんに組み敷かれながらも必死で抵抗する。

それでも時頼さんはやめようとしない。

乱雑にわたしの体を触っていく。

「や、やめて!」

「どうせ無理だと思っても諦めないのが俺のポリシーだ」

ベッドサイドにおいてある電話機からベルが鳴った。

しばらく無視をしていたけれど、たまらなくなったのか、受話器をとった。

「大丈夫ですから」

隣から苦情って、そんな声あげてねえのに、と時頼さんがつぶやきながら受話器をおくと、今度はドアのベルが鳴り響いた。

「ったく、誰だよ」

わたしから体を離し、時頼さんはしぶしぶと入り口へと向かう。

「よろしくやってるところ悪いんだけどさ、オレの片桐ちゃんいじめないでくれないかな?」

いつもの明るい声が入り口からベッドのある部屋に届いた。二階堂さんの声だった。
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