高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
さすがに押し倒されたベッドで眠る気がおきなくて、リビングのソファにもたれかかりながら眠った。

チェックアウト時、フロントの従業員から伝言を預かっているといわれた。

ハイヤーで自宅まで送ると二階堂さんからだった。

入り口に用意された黒塗りの車に乗り込み、昨夜みられなかった日差しが照りつける海を眺めながら自宅に戻る。

ようやく肩の荷が下りて自分のベッドに横たえた。

月曜からどうやって時頼さんと顔をあわせたらいいのか、よくわからない。

藤崎社長にも説明ができないし。

その前に由基にあわせる顔がない。

こんなときに限ってやっぱり由基から連絡はこないし。

月曜日、気持ちの晴れぬまま事務所へむかった。

幸い、藤崎社長と二階堂さんがいて、時頼さんは先方の打ち合わせがあるとのことで朝から席を外していた。

「どうしましたか?」

挨拶もそこそこに金曜日のやりかけの仕事に取り掛かった。

藤崎社長は不思議そうな声をあげていた。

「土曜日はどうもありがとうございました」

「僕は楽しめましたけど、つむぎさんはどうだったのかと心配になっていましたが」

「へえ。心配ねえ。あのこと時宗には話してなかったんだ」

二階堂さんがわたしの顔をみて、はっ、と口元をおさえる。

「何をですか?」

「土曜の夜から朝まで片桐ちゃんと語り合ってきたわけで」

「そんなことがあったんですか!?」

「二階堂さんっ、違いますって」

藤崎社長は二階堂さんに向けてにらみはじめた。

「違うというのは、一体どうしたんでしょうか」

「それは……」

「言えない事情もあるってことで、ここはオレに免じて、ね? 時宗」

と、二階堂さんは舌をだして笑っていた。
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