ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
拓真さんの運転で、昼間の都内をひた走った。拓真さんが選んだ昼食場所は、隅田川の畔にあるテラス付きのイタリアンレストラン。
拓真さんはコースメニューをオーダーした。
「コースメニュー、オーダーしましたが、悠長に食事をする時間あるんですか?」
「どうせ、婆ちゃんの会社だし。少し位遅れても構わないさ」
拓真さんのお婆様・濱部美古様が会長を務める化粧品会社『ハートフル』に行くらしい。
行き先を訊かないまま同行していた私は秘書失格かもしれない。
「申し訳ありません。私は秘書として失格です」
「何で?」
「副社長に行き先をお聞きするのを忘れていました」
今日付けの秘書とは言え、副社長のスケジュール管理は私の仕事。
「今日はいいよ。明日から頼む」
拓真さんは笑って流し、冷水を飲んだ。
テラス席のテーブルに座った私達の目の前には緩やかに流れる隅田川が眼窩に見える。
ついこの間までは、畔をピンク色の可憐な花弁で彩っていた桜並木も見えた。
拓真さんはコースメニューをオーダーした。
「コースメニュー、オーダーしましたが、悠長に食事をする時間あるんですか?」
「どうせ、婆ちゃんの会社だし。少し位遅れても構わないさ」
拓真さんのお婆様・濱部美古様が会長を務める化粧品会社『ハートフル』に行くらしい。
行き先を訊かないまま同行していた私は秘書失格かもしれない。
「申し訳ありません。私は秘書として失格です」
「何で?」
「副社長に行き先をお聞きするのを忘れていました」
今日付けの秘書とは言え、副社長のスケジュール管理は私の仕事。
「今日はいいよ。明日から頼む」
拓真さんは笑って流し、冷水を飲んだ。
テラス席のテーブルに座った私達の目の前には緩やかに流れる隅田川が眼窩に見える。
ついこの間までは、畔をピンク色の可憐な花弁で彩っていた桜並木も見えた。