ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
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社屋近くの10階建ての複合型オフィスビルの1階のスターカフェで待ち合わせ。

カウンターテーブルのスツールに腰を下ろし、文庫本を読む柾貴君の姿を硝子越しに見た。

私は自動扉を潜り、一目散に柾貴君の元に歩み寄る。

「お待たせして申し訳ありません」

「別にいいですよ。それよりも拓真さんに何て言いました??」

「えっ?」

「俺の妻をデートに誘うなんていい度胸していると責められました・・・」

拓真さんはそんなコト一言も言ってなかったから・・・鳩が豆鉄砲を食べたかのように驚いてしまった。


「誘ったのは小陽さんですよね」


柾貴君は私に念を押す。


「あ・・・はい」

「まぁ、いいですけど・・・それよりも何飲みます?」

「アイスコーヒー」

「隣のスツールに座っていて下さい。俺が買ってきます」

「じゃ、お金を」

「コーヒー位奢ります」

柾貴君は立ち上がってカウンターに行ってしまった。

私は隣のスツールに腰を下ろし、柾貴君を待った。

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