ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
俺は手術を受けたが、自然妊娠の可能性は低いので・・・人口受精を勧められた。
不妊治療を開始して半年・・・

稜真の妻・奈那子さんが妊娠。
婆ちゃんも親父と母さんもひ孫、初孫にそれぞれ喜んだ。

「双方に何も問題がなかったら、簡単に出来るんだな・・・」

表向きは「良かったな」と皆と同じように喜んでいるが、影では悪態を付いた。
最近の俺は人の幸せを素直に喜べない歪んだ性格になっていた。


「無事に生まれるといいですね・・・」

「小陽はホンキでそう思ってるのか?」

「だって・・・奈那子さんは彩名の瓜二つですよ。
彩名に子供が出来たようで嬉しいんです。だから、拓真さんも心から喜んであげてください」

「そうか…奈那子さんを亡くなった妹の彩名と思えばいいのか…俺もそうするよ」

小陽は心も綺麗な女。

何度か人口受精に挑戦したが、未だに成功していない。
その度に飛んでいく高額な金と失意の連続。

金と根気がなければ不妊治療は続けられなかった・・・


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