お嬢様と7人の男子

「俺は善意で助けようとしたんだよ」


「もういいよ、こうして助かったわけだし」


「よくここに来るのか」


「うん、毎日いるよ。唯一、外にでれるのはここだけだしね」


「どんぐらいここにいるんだよ…」


「もう1年半は経つかな」


「そんなに病院いるなんて退屈じゃないのか!?」


「退屈だよ…でもこうしていられるのって幸せじゃない?」

「理解できない」

「まだまだ子供だねぇ君は

「ガキ扱いすんなよ」

「アハハハハハハ。久しぶりにこんなに笑った」

それから俺はいつも屋上に通った
なんとなくあの人といるのが楽しかった
あの人と話すのが楽しかった
一緒にいて居心地良かった
でもすっかり怪我は治って退院することになった
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