お嬢様と7人の男子
彼女は1人で歩こうとした

「手を貸すよ」

「大丈夫、1人で歩けるから」
彼女は拒んだ

「無理するなよ」


裸足でゆっくりと砂浜を歩き海へと向かった


波打つ瞬間彼女の足は海へと浸かった


波は退いたりと押し寄せて来たりの繰り返しだった


「気持ちいい…海ってこんなにも気持ちいいんだね」

彼女は髪を耳にかけた


「ねぇ、ひとつ約束してよ」

「なに?」

「私の代わりに君の婚約者の子のこと大切にしてあげて」

「な、俺はまだ諦めてない」

「…」
彼女は必死に涙をこらえていた
そして振り向かえって言った

「私のお願い聞いてくれないの?」


「…そういう時に使うとかずるっ」

「ふふ…ね?約束して?」

「分かったよ……」

「素直でよろしい」

彼女は前田くんの頭を優しく撫でた

「背、高くなったなぁ。前まで私の方が高かったのに」

「少しは男らしくなったんだよ////」

「そうだね…知らないうちに周りはどんどん変わっていくんだろうな」

「なんだよ、急に」
彼女は寂しげだった

波打ち際に彼女は突如走り廻りだした

「な、走ったらダメだろ」

「いいのいいの、今日だけ!」

そしてやってくる波の水を蹴散らし笑った

そんな彼女をみておかしくておかしくてたまらなかった

いつまでもいつまでもこの状況が続けばいいのにと密かに願った
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