好きだなんて言ってあげない


専務とは気兼ねなく話せた。

何を言っても、正しいことは正しいと言い、間違っていることは指摘して、きちんとわたしの話を聞いてくれた。

楽しかった。

心地良かった。


こまりへの報われない想いを利用して、付け入って、セフレにされてしまっても、それでも離れられなかった。


そこにわたしの恋心があったから。


鈍く痛む心を誤魔化して、気付かない振りをしていた。


「もうーー無理ーーー!」


専務を力いっぱい押して、腕の中から逃れる。ぼろぼろとこぼれる涙が止められない。


「もうセフレ辞めるーーー!」


叫んで部屋を出て行こうとしたらまた専務に拘束されて、わたしのお尻の下に腕を回して子供のように縦抱きにされた。

そのまま廊下に出てベッドルームに連れて行かれ、ベッドの上に落とされた。


「だからもうセフレは辞めるってーーー!」


「ほな今日から恋人やな」


「なーーー」


なんでと言おうと開いた口を専務の口に覆われて言葉が飲み込まれる。

そのまま舌を絡められて、吸い込まれるような激しいキス。
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