イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。
「まったく……そのフリーダムな性格なんとかしろよ」
呆れた漸が、凜に性格の再構築を要求する。
「そう言われても、これも僕の個性だからねえ。そう思わない? 碧羽」
「う……ん、そだね」
碧羽の顔を覗き込むように、凛が人差し指を立てて彼女に同意を求める。白いものを黒と言わせてしまう凛の悪魔的能力に、顔を引きつらせながらも頷く碧羽。
「クソ悪魔! 碧羽を操ってんじゃねえよ」
魔の手から碧羽を引きはがした漸は、凛に吠えたてながら『悪魔退散!』と胸に手をやり十字を切った。
「あはは。たとえ聖水を撒いたって、僕は退治できないよ~♪」
もはや最強であった。
この双子はことある毎に喧嘩している。とは言っても噛みつくのはいつも漸であり、凛は其れをにこやかに受け止め素気無く流しているだけだ。
嬉しそうにさえ取れる凛の態度は、もしやマゾッ気が? とも取れなくもないが、しかし凛がマゾヒスティックなのは女子のまえだけである。
要は、凛は漸がかわいくて仕方がないのである。
歪んだ愛情ではあるが、凛は漸をソコソコ愛しているのだ。犬猿の仲というものもあるが、このふたりはなかよく喧嘩する、レジェンディーなる犬と猫であった。