イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。
碧羽はふたりの後ろをついて歩く。なかよく喧嘩するすがたを、微笑ましく眺めていた。
こうして碧羽は、よく双子の後ろをついて歩いていたものだと、初等部の頃を懐かしく思う。気づかず碧羽は笑みがこぼれていた。
美男子ふたりに美少女が連れ添うすがたは、弥(いや)が上にも観衆の目を惹きつける。だがそれも仕方のないこと。
双子の凛々しさは顕著なので今更説明の必要性を感じないが、けれど碧羽は違う。元のうつくしいすがたへと戻ったのだ。
美容師は非常に良い働きを見せていた。
小作りな瓜実型の顔を持つ、碧羽の愛らしさを惹きたてる髪型。
うつくしい顔を隠していた長い前髪はすっきりと整えられ、自然にサイドへと流れるようにカットされている。
腰元まであった漆黒の長い髪は、肩甲骨あたりから毛先にかけて、ゆるやかなパーマがかけられている。
白い肌に黒い髪。以前のうつくしさを取り戻した碧羽は、まさにスノーホワイトそのものである。
道往く青年は碧羽の愛らしさに頬を染め、カップルで歩く彼氏は碧羽に見惚れて彼女に怒られている。
すべからく男たちの目を奪う碧羽の魅力は、彼女にとっての財産であるのだが、当の本人はまったくの無頓着であり悲しいほどの宝の持ち腐れであった。