イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。
* * *
ウェイティングルームでの一件の後、碧羽は凛の提案で『特別なクローゼット』などという、怪しげな場所へと連れて行かれることとなった。
胡散臭さ大爆発ではあるが、取り敢えず文句は言わず、従順にも従う碧羽なのであった。
だがそろそろ歩き疲れてきた。男どもと違い、碧羽はパンプスを履いているのだ、仕方あるまい。
「ねえ、まだ着かないの?」
「もう少しだよ。ごめんね? 疲れたら、僕が碧羽を背負ってあげるからね」
「なに言ってやがる、このスケベ野郎!!」
碧羽の問いに、凛は己の欲望に忠実な返しを述べる。すると即座に漸は、碧羽に投げられた凛の魔球を受け止め、凛をアウトへ導く。
「う~ん、悪魔とスケベ……どっちのほうがマシだと思う? ねえ、碧羽」
けれども凛の魔球はひとつではない。こんどは漸が追いつめられるのか?
「凛なら、どっちもぴったりだと思うよ?」
「ふふ……碧羽も言うようになったよね」
思いもよらぬ碧羽からの変化球に、然しもの凛も意表を突かれて泡を食う。その隣で漸は、ひとり腹を抱えてウケまくる。
「……しかし碧羽、ほんとうに大変身だねえ。ますます可愛くなったよ。腕のいい人気のサロンって聞いていたし期待はしてたけど、まさかここまで素材を最大限に生かしてくれるとはねえ」
またもや苦しい話題のすり替えに、碧羽と漸が顔を見合す。凛はというと、まったく意に介すでもなく、ふふふと微笑み碧羽に見惚れている。
もとはと言えば、凛が碧羽を成り下げた張本人だ。その科白は如何なものか……行動と言動が、怖ろしいほどにそぐわないのであった。