イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。
「好きなだけって……でもわたし、そんなお金持ち合わせてないし」
「ふふふ。碧羽はお金の心配なんてしなくていいよ。今まで碧羽には寂しい思いさせたからね。これは僕たちからのお詫び」
碧羽がなにか言いたそうにしているが、エレベーターが目的の階に到着すると、凛は「ほら、着いたよ。降りよう」と碧羽を促して、『クローゼット』と表する部屋へと彼女をエスコートする。
「わあ……なに、コレ。すごいね」
「ふふ。これだけあれば、きっと碧羽のお気に入りが見つかるよ♪」
碧羽の一驚(いっきょう)も尤もであった。開いたドアの先には、様々な洋服が掛けられたハンガーラックが、室内を所狭しと埋め尽くしていたからである。
「碧羽。俺たちはこれから、少し用があって席を外すけど、ひとりで大丈夫か?」
「え、漸たちどこか行っちゃうの?」
「うん、ちょっとお仕事があってね。でもこのビル内だから、不安がらなくてもだいじょうぶ。そこに、お姉さんがいるでしょ? あのひとが、碧羽の世話をしてくれるから、なんでも相談して」
そう言うと、凛はリフティングルームだろうか、カーテンの掛かる個室の隣に控えている女性を指さし、暗に『女性とともに服を選びながら留守番をしろ』と促した。