イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。

「好きなだけって……でもわたし、そんなお金持ち合わせてないし」

「ふふふ。碧羽はお金の心配なんてしなくていいよ。今まで碧羽には寂しい思いさせたからね。これは僕たちからのお詫び」

 碧羽がなにか言いたそうにしているが、エレベーターが目的の階に到着すると、凛は「ほら、着いたよ。降りよう」と碧羽を促して、『クローゼット』と表する部屋へと彼女をエスコートする。

「わあ……なに、コレ。すごいね」

「ふふ。これだけあれば、きっと碧羽のお気に入りが見つかるよ♪」

 碧羽の一驚(いっきょう)も尤もであった。開いたドアの先には、様々な洋服が掛けられたハンガーラックが、室内を所狭しと埋め尽くしていたからである。

「碧羽。俺たちはこれから、少し用があって席を外すけど、ひとりで大丈夫か?」

「え、漸たちどこか行っちゃうの?」

 「うん、ちょっとお仕事があってね。でもこのビル内だから、不安がらなくてもだいじょうぶ。そこに、お姉さんがいるでしょ? あのひとが、碧羽の世話をしてくれるから、なんでも相談して」

 そう言うと、凛はリフティングルームだろうか、カーテンの掛かる個室の隣に控えている女性を指さし、暗に『女性とともに服を選びながら留守番をしろ』と促した。
< 104 / 151 >

この作品をシェア

pagetop