イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。
気安い口調で双子とはなしをしてるのは、『茂上 春日(もがみ かすが)』二十七歳、男である。
彼は、凜たちの母親が社長を務めるアパレルメーカー『atelier-TSUBAKI』の、専属カメラマンである。
「かわいいなんて……よしてくださいよ。あれから五年も経って、僕らも十七なんですから」
「そうか……もう、そんなに経つのか。はあ~しかし、時が経つのは早えもんだな。俺もオッサンになるわけだ」
茂上は己の歳を顧(かえり)みて、ガハハと豪快に笑い飛ばした。
口を閉じていれば、かなりのイケメンである茂上だが、カメラの腕以外は点でガサツなため実に損をしている。……碧羽といい勝負である。
己を肴(さかな)に笑い飛ばす茂上を、生温かい目で窺う凛。そこへ痺れを切らした漸が、先へと進むべく茂上にはなしを振る。
「茂上さん、今日はよろしくお願いします」
「おう、漸。こっちの方こそ頼むわ。いやあ、おまえらがモデルを引き受けてくれて良かったぜ~」
「いえ、俺たちが無理言ったんで。ありがとうございます」
「いやいや、読モの女の子は沢山いるんだが、男のモデルが少なくてな。社長からはなし聞いたときは『人形みたいな双子に務まるかねえ』と思ったけどよ、久々におまえら見てマジにビビったわ」
「嬉しい誤算だねえ~」などと、気の抜けた科白で締めくくる茂上。けれど彼が驚くのも無理はない。
確かに五年前――初等部六年――の双子は、ビスクドールのように愛らしい少年であったのだ。