イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。
誰もが似合いのふたりに感嘆のため息をつき、それと同時に凛に岡惚れする女子生徒は、持て余す心を押し殺すのであった。
ふたりを認め身をひく者、凜がフリーになるのを待つ者、虎視眈々と爪と牙を研ぎつつ彼女の座を狙って略奪の機会を窺う者。
そんな大奥を彷彿させる、四面楚歌に則った女子たちの熱き闘い。可憐な花のように愛らしい女子たちは、しかし恋のうえでは男よりもアグレッシブなのであった。
まさに龍虎相搏(りゅうこあいう)つ、キャットファイトの世界だ。
凛いわく、有栖川とは円満に交際を解消したそうではあるが、凛のことだ、涼しげな顔をして女性にダメージを与えることなど造作もない。
「それはちょっと語弊が過ぎるよね。てか僕の立場が、どんどん悪くなってる気がするんだけど」
その勘は当たっているのであった。
「……とにかく、はなしは分かったよ。うん、そうだよ。由梨子と僕は先月別れたんだ。誤解があったら困るし言うけど、僕と由梨子のあいだは円満だよ? 僕も彼女も身持ちは綺麗だから」
しかし、どの口で言うのだろうか、この外道――
「まったくだぜ! どの口で言ってやがる。おまえが清らかだったら、世界中の悪党は神仏だっつの」
だから地の文を無視した進行を――
「じゃあ僕は、さしずめ全知全能の神かな? あはは~」