イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。
「ねえ、蓮見さん。僕は今までいろんな子とつき合ってきたけど、もうそういうのやめたんだ。心から大切に想ってる子とだけ……ほんとうに好きな子としかつき合わない」
『ごめんね?』――彼女から目を逸らさず、凛は科白の最後をそう締めくくる。
いつもの飄々とした態度から一転、いつになく真面目な表情で彼女を見上げた凛は、おもむろに立ち上がり蓮見のまえへと歩み寄った。
蓮水の目線までしゃがんだ凛は、うつむく彼女を小首を傾げて覗き込む。涙を必死に堪える彼女はたじろいだが、構わず凛は二の句を告ぐ。
「今までの僕の軽はずみな行いが、結果的に蓮見さんを傷つけることになっちゃったね。ほんとうにごめん。
でも僕はきみの気持ちには応えてあげられない。僕の心は、たったひとりの子だけのものだから……だから、ごめん」
最後に凜は『けど好きになってくれて、ありがとう』と、笑顔で彼女に礼を言う。
「そっか……うん、わかった。ごめんなさい凛くん。それと……ありがとう」
涙にふるえる声で、彼女が口にした最後の『ありがとう』は、凛が蓮見と向き合い、心の内を打ち明けてくれたことへの礼だろう。
凛がハンカチで濡れた目もとを拭ってやり、そっとその手にハンカチを持たせてやった。肩に手を添えて、凛は蓮見を店外へとエスコートするのであった。