イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。

「……よくおモテになるこって。しかしあの蓮見とかいう女、直接凛に告ってなかった……よな? つか、告るまえに玉砕とか……うわあ」

 エントランスのドアを眺めながら、漸は気づいてはいけない凛の『悪魔的誘導拒絶』を垣間見た。

 しかも、何気に自分が悪者にならないように仕向けている。……誠怖ろしい男であった。

「漸、おまたせ。あれ、凛は?」

「! 碧羽……あー、凛は今ちょっと野暮用で……ッ!?」

 ウインドウからのぞく凛たちに、思考を傾けていた漸であったが、突如として背後からかかる愛らしい声に驚いた。

 『やべえ……碧羽が戻ってきた』――どうか窓外を見てくれるなよと願いつつ、後ろに立つ碧羽の方へと身体を戻す。

 そして場を取りつくろうとして……彼女を目にした途端、漸は固まってしまった。

「どうしたの、漸?」

 様子のおかしな漸を訝(いぶか)しみながら、碧羽が漸のまえに立って顔を近づける。

「ぅおッ! 顔……顔が近いって!」

「うん? ごめんなさい。でも漸、なんだか顔が赤いよ、だいじょうぶ? お熱があるんじゃない?」

「いや、これは、ちがッ……碧羽が可愛くて……」

 なんと、挙動不審の正体は、碧羽のあまりの愛らしさに、テレていたからであった。鉄面皮が一丁前にもテレるとは……漸のクセに生意気である。
< 95 / 151 >

この作品をシェア

pagetop