イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。
施術も終わり、ウェイティングルームでくつろぐ碧羽。受付嬢が気を利かせて、碧羽にも紅茶とサブレをもてなした。
「このサブレおいしい♪ どこのだろう」
「それはね、最近出来たばかりの――」
「コレ……やるよ」
サブレの風味を称賛する碧羽に対し、菓子を製造するパティスリー紹介を凛が口にした瞬間、漸が手にするペーパーバッグを碧羽に差し出した。
「え、わたしに?」
「おう」
差し出されたペーパーバッグを、碧羽が受け取った途端、漸はふにゃりと頬を緩ませた。
なかを覗き込む碧羽。爆発物でもあるまいに、そっと覗き込むすがたが可愛らしい。そして、科白を遮られた凛は、遠くを見つめるのであった。
「あッ! サブレだ。うれしい♪ 漸、ありがとう」
いつの間に買ってきたの? と、漸に不思議そうに尋ねる碧羽の表情は、しかし満面の笑みである。
その笑顔にいっそう頬を染める漸。『ああああ』などと、不明瞭な吃(ども)りを披露する。
それ来た僕のターンだ! とばかりに、凛が嬉々として身を乗り出す。
「あのね、それは漸がココのヘアサロンのお姉さんに貰ってきたんだよ。
僕が『碧羽に食べさせたいな』って言ったら、漸がお姉さんに売っているところを訊いて来て、そのお姉さんから漸が貰ってきたんだよ」