大好きなきみへ、あの約束をもう一度
「……ぶっ!尚先輩、マイペースすぎですよ」
「はははっ、これが俺の取得だからね!」
どこまでもマイペースな尚先輩に耐えきれず、私は吹き出してしまった。
「おいおい、このタイミングで!?尚先輩、どんだけっすか!」
「じ、自由だね……」
海斗と文子も驚きと呆れ半分に尚先輩を見つめてる。
でも、この時間が……私は……。
『湊、良かったね』
「あ……」
ちゃっかり、尚先輩の隣に座っていた早織。
そんな早織に、私は静かに頷いた。
うん、私……この時間が大切だと思ってる。
不思議だね、早織。
去年の夏、私は世界で一番大切な親友を失って……。
そして今年の夏には、同じように大切な親友たちができた。
「みんな、水着楽しみにしてるよ〜!」
「あ、それは俺も同感っす!」
そんな馬鹿みたいな会話も、全てが楽しい。
心からそう思えたのは何年ぶりかな。
そんなことを考えながら、私はみんなの様子を温かい気持ちで見守るのだった。