大好きなきみへ、あの約束をもう一度



***


8月1日、ついにやってきた約束の日。

私たちは、電車を乗り継いで、約束の海へとやってきた。



「わぁ……人がたくさん!」


「本当にね、文子は誰かと来たことある?」


「家族とくらいかなぁ……中学までは友達っていうのもあったんだけどね」


「ふふっ、私も久しぶりだよ」



早織がいた時は、こうして海やら川やら、最近出来たカフェとかテーマパークとか……。

色んなところに連れ回されたっけ。



『こーら湊、私に連れ回されたとか考えてるてしょ!』


ギクッ……。

どうして、早織にはバレバレなんだろう、私の考え。



みんなには見えないけど、早織は腰に手を当てて、おまけに頬を膨らませて怒っていた。


「えーと……文子、水着可愛いね」



私は、早織から恐る恐る視線を外して、早織を無視した。

だって早織、怒ると後が長いんだよ。



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