大好きなきみへ、あの約束をもう一度
「私なんて!!それよりも、湊ちゃんは美人だし、スタイルもいいし……水着、似合ってて羨ましいな」
私なんかを、そんなに褒めてくれるとは……。
文子は、やっぱり優しいんだなぁ。
そんなことを考えながら、自分の水着を見下ろす。
文子は、紺のワンピース型の水着で、私は久しぶりに引っ張り出してきた黒のビキニ。
普段なら下ろしてる髪も、ポニーテールにした。
何でもいいやとは思ったけど……久しぶりに出す肌は、なんだか気恥しいな。
「おい、湊ー!文子ー!」
すると、更衣室の出口で、私たちに手を振る海斗の姿が見えた。
海斗たち、もう着替え終わってたんだ。
「わっ、めちゃくちゃ似合ってるし……つか、肌出しすぎじゃね?文子くらいのがいいだろ!」
すると、海斗は真っ先に私の元へやってきて、自分の着ていたパーカーを肩にかけてきた。
「……なに、急に。別に、寒くないけど?」
海斗、なんでパーカーなんてかけてきたんだろう。
っていうか、海斗……やっぱりガッシリしてるんだな。
至近距離で見ると、それが分かる。
海斗は、ミルクティー色の髪に生える、ワインレッドの水着だった。