大好きなきみへ、あの約束をもう一度



「うん、行ってみたい……。海斗となら、大丈夫な気がする」


「っ……お、俺となら……か。うし、任せとけ!」



急に大きな声を出した海斗。

不思議に思って顔をのぞき込めば、顔が少し赤い気がした。

だけど、海斗はどんどん私の手を引いて歩いていく。



「今日の思い出は、絶対に楽しい思い出にしような」


「海斗……」


「悲しい過去以上に楽しいこと、俺が湊にたくさん教えてやるからな!」


そう言って笑った、海斗の笑顔を、私は一生忘れないと思った。


あの、海の乱反射する輝きよりも光る……。

太陽そのものみたいな笑顔。


「眩しい……」


そうだ、この笑顔を……私は知ってる。

そう、早織にもあった、人を惹きつける輝きだ。



「ほら湊、一歩踏み出してみろ」


波が足にかかるか、かからないかの瀬戸際で、海斗が私を海の中へと誘う。


――ドクンッ。

だめだ、また体が震えてきた……。

そんな私に気づいてか、海斗が私の手を強く握ってきた。



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