大好きなきみへ、あの約束をもう一度




――ザァーッ、ザァーッ。

訪れた沈黙に、波の音と周りの楽しそうな声だけが聞こえる。


海斗は、何を見てるのかな……。

そう思った私は、そっと海斗の横顔を盗み見ようとした。



「あっ……」



でも、海斗が私を見つめていることに気づいて、息ができなくなるほどに、胸が切なくなる。


何か……何か、言わなきゃ。

どうしてからそんな衝動にかられる。

見つめ合うと溢れそうになるこの、名前のつけられない感情に……突き動かされるんだ。



「あのさ、湊……その……」



それは海斗も同じだったのか、私に声をかけた、その時……。



「いたいたー、探しちゃったよ2人とも!」



「海斗くん、湊ちゃん、かき氷買ってきたよ」




すると、かき氷を両手に、尚先輩と文子が私たちのところへやってきた。


あ、手、繋いだままだ!

それが恥ずかしくなって、私は海斗からパッと手を離す。



「湊……」



すると、海斗は何か言いたげに私を見たけど、尚先輩や文子の手前、はずかしくて反応出来なかった。




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