大好きなきみへ、あの約束をもう一度
「逃げてるだけじゃ、誰も幸せになれない。もう、弱いままじゃ嫌なんだ」
「湊……あなた、いつの間にか強くなってたのね」
お母さんは、泣きそうな顔でしみじみと言った。
強くなったように見えるのなら……。
それは、きっと海斗や文子、尚先輩たちのおかげ。
お母さんがずっと私を支えてくれたおかげだよ。
「気づかせてくれた人たちがいるから……」
みんなの姿を思い出して微笑めば、お母さんが嬉しそうな顔をして私を見つめた。
「それは、海斗くん……素敵な恋人のおかげかしら?」
「っ……う、うん……」
そっか、あの時お母さんいたから……。
抱きしめられてたのも、バッチリ見られてだろうし。
「あなたに……向き合う力をくれた海斗くんに感謝しないと。いつか、家にも連れてきてね」
「うん……きっと連れてくるよ」
お母さんにも会ってほしい。
それで、たくさん自慢したいな。
海斗は、最高の彼氏ですって。
「ちゃんと向き合って、もっと強くなる。そうしたら、今度は私が……お母さんを支えるからね」
「っ……湊、ありがとう」
涙を流したお母さんの手をギュッと握った。
いつの間にかシワシワになってしまったお母さんの手。
それが、たくさんの苦労の証に見えて、守ってあげたいと思う。
「今まで愛してくれてありがとう、これからも大好きだよ」
「えぇ、お母さんも愛してるわ」
笑顔を交わすと、私も我慢出来ずに泣いた。
これからの未来に進むために、私は進むんだと……。
改めて思ったのだった。