大好きなきみへ、あの約束をもう一度


「なぁー、待てよ湊!」


すぐに海斗が私の後を追いかけてきて、自然と隣に並ぶ。


え、海斗一緒に行くつもりなの?

こうして、助けてもらったのは2度目。

1度目は体育館で話を聞いてくれたし、2度目はこうしてガツンと男子に言ってくれた。

それが、なんか恥ずかしい。



「毒島、お礼言いたそうだったぞ?」


「お礼なんていらない」



海斗の方は見ずにキッパリとそう言った。


「お前、マジでカッコイイのな!」


「……はぁ」


カッコイイなんて言われた事ない。

……しかも、男子から。

それって、喜んでいいのか悪いのか……。

困惑気味に海斗を見上げれば、ニッと笑われる。


――トクンッ。

その笑顔にまた心臓がさわぐ。


なんだろう、この笑顔は不意打ちの反則だと思う。

中身がどうかは分からないけど、カッコイイのは間違いないし。


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