大好きなきみへ、あの約束をもう一度
「いやいや、湊に送ってもらうなんて、先輩として、男として終わってない、俺!?」
「あのなぁ、そーいうのは普通、男のセリフだからな」
尚先輩と海斗に説教?じみたことを言われる。
送るって、親切心だったのにな。
「そういう、ものなの……?」
『ふふっ、湊は男らしいからね』
早織がクスクス笑いながらからかってくる。
この状況を楽しんでるな、早織は。
あとで、文句言ってやろう。
「あの、別に私……」
「いーや、ダメだよ!湊ちゃんの家までは、俺が送るから、その後傘を借りる……ってことで!!」
「あ、はい……」
尚先輩の気迫に押されて、つい頷く。
まぁ、私はどっちでもいいけど、尚先輩が大変じゃない?
申し訳なく思いつつも、送る送らないの繰り返しになりそうで、引き下がることにした。
「ちょい待ち」
「え?」
すると、私と尚先輩の間に、海斗が割って入ってきた。
え、海斗……??
今話が丸く収まりそうだったのに、今度は何?
「尚先輩は俺の傘を使って1人で帰ってください」
「ひどい!!先輩泣いちゃうぞ!?」
海斗は自分の傘を尚先輩に押し付ける。
そして、今度は私の手から傘を奪った。