大好きなきみへ、あの約束をもう一度
「あぁこれ、ドラマのやつじゃん。俺、見たことある」
「そうなんだ……」
――ガタンッ。
私の隣に海斗が長い足を組みながら座る。
たったそれだけの仕草なのに、カッコイイだなんて……。
なんだか悔しいなぁ。
そんなことを考えて海斗を見つめていると……。
「湊、こういうの好きなのか?泣ける系の本っていうの?」
この本は、どこか自分の境遇に重なるから。
だから選んだんだけど……。
「湊?」
「あぁ、えーと……」
ダメだ、さっきからボーッとしちゃう。
目の前に、海斗がいるのに、しっかりしなきゃ。
なのに、どう言い訳すればいいのか……。
とっさに出てこないから困る。
「……湊、やっぱりまだ調子悪いんじゃないか?」
「え?別に、そんなことないけど……」
居眠りしたから、なおさら体調は万全。
なのに、どうしてそんな事聞くのかな?
不思議に思って海斗を見つめていると、海斗は立ち上がって、私の前にやってくる。