エリート外科医の一途な求愛
「いけませんか。お互いプライベートの時間にどこでどう会ったとしても、それを木山先生にどうこう言われる筋合いはないんですが」

「ちょっ……各務先生っ!!」


その言い方じゃ、本当に待ち合わせていたようにしか聞こえない。
しかも、勝手に『医局内恋愛』なんて肯定しないで欲しい……!!


焦りながら声を上げた私を、各務先生は背の後ろに引っ張り込んで隠しながら、自分は木山先生に対峙した。


「木山先生が俺にどう絡もうが勝手ですが、彼女を巻き込むのはやめてもらえますか」


並んで立つと、各務先生の方が五センチ以上背が高い。
目の前で見下ろされた木山先生が、軽く怯む気配が私にもわかった。


「各務先生、なんの言いがかりですか? 俺は仁科さんに仕事で同行してもらって、この後はただ食事しようと言ってるだけで、巻き込むとか言われるのは心外なんだが?」


どこか声が上擦って聞こえるのは、きっと各務先生がよほど厳しい表情を向けているせいだろうと思う。
けれど、その表情を私は窺えないまま。


「なるほど、ただの食事。それなら、なおさら。無理強いはやめてもらいます」


各務先生は木山先生の揚げ足を取ってそう言うと、私の腕を強く引いた。


「ひゃっ……」


私は、またしてもバランスを崩す。
そのまま彼の肩に額をぶつけてしまった。
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