エリート外科医の一途な求愛
「ダメ」

「プライベート、一日だそうです」

「なあ。過去のイケメン彼氏に何されたの?」

「……」


私の話は全くスルーして、各務先生は超強引に質問を畳みかけてくる。
さすがに無視し通すほどの冷静さを保てず、私は無言で各務先生を睨んだ。


けれど、彼は軽くヒョイッと肩を竦めるだけだ。


「さっきの君の言い方、かなり根深い私怨みたいだなって思った。よっぽど酷い目に遭って、それがトラウマになってるんだろ」


私の睨みに更に目力込めて応戦しながら、デリカシーの欠片も感じられない口調で、割とズケズケと探ってくる。


「ドクターのくせに、人のトラウマ無理矢理言わせるなんて、鬼ですか」

「真綿に包んで直接触れないように優しく優しく撫でてやるのが、いつも正しい対処法ってわけじゃないんだよ。それに、仁科さんの場合はその一方的な思い込みと決め付けで、周りの人間に害をもたらす。荒療治も必要だ」


はあっと声に出して息を吐きながら、各務先生はふてぶてしい態度で腕組みをした。


「私の何が、害ですか」


睨んだまま言い返すと、彼はふふっと目を細めて笑う。


「顔が理由で嫌われるのは理不尽だ。さすがにテンションが下がる。仕事に支障が出かねないくらいに」

「……はあ?」
< 48 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop