エリート外科医の一途な求愛
ちょっと低いテーブルに、思いっ切りバン!と両手を叩き付け、私は前屈みの体勢から各務先生を睨み上げた。


「『連れ歩く分にはいいけど、つまんない』って言われて、謝罪の一つもなく振られたんですよ!? それの何が良かったと……!」

「見る目ないな、その男。こんなに面白い女なのに」


キレた私が大声で怒鳴り散らすのを、各務先生は表情も変えずに簡単に遮った。
一瞬虚を衝かれて言葉を飲んだ私に、彼の方からも背を屈めて覗き込んでくる。


その近距離に驚き、私は咄嗟に姿勢を正そうとした。
それを、彼が私の顎をグッと掴んで止める。


「なっ……!」

「くだらない男を中心にして、『イケメンは浮気する』なんて定義付けるなよ。言っとくが俺は、大事な女に不安な想いなんかさせない。そんなもの感じる余裕もないくらい、四六時中愛してやるから」

「っ……」


ほんの少しもぶれない真っすぐな瞳で、まるで挑むようにそう言われた。


各務先生は、『自分は浮気しない』と持論を言ってるだけなのに、まるで私に向けて挑まれたような、そんな気がして心臓が大きく騒ぎ出す。


そして、多分、彼は私の心の動きを完璧に見抜いている。
私の反応をジッと静かに観察した後、意地悪に口角を上げて笑った。


「なんなら、試しに俺に愛されてみるか? 俺の女になって」
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