イジワル上司に甘く捕獲されました
何だかんだで迎えたクリスマス。

イブが金曜日だったせいもあって、瀬尾さんと私は別々に帰宅した。

真央に部屋は使ってね、と再三言われたけれど。

訪ねてきてくれた瀬尾さんにも、直接お土産を渡しながら言っていたけれど。

瀬尾さんは苦笑しながら真央に辞退していた。

私はあまり気張っている風にはならないように、かといっていつもの部屋着ではない白のニットワンピースという装いで、潤さんへのプレゼントと帰宅途中で受け取ったケーキを手に真上の部屋に向かった。

潤さんへのプレゼントは女子力の高い真央と一緒に選んだ。

できるだけ毎日使ってほしいから、身に付けてほしいから、という理由で仕事に使えるネクタイピンとカフスのセットにした。

以前に潤さんとデートに出掛けた時、彼が買おうかと迷っていたものだ。

……真央が色々言うせいで、今日は妙に緊張してしまう。

玄関の呼び出し音を鳴らすと、潤さんがすぐにドアを開けてくれた。

潤さんも今日は部屋着ではなく、紺色のカーディガンに白のコーデュロイのパンツを履いていた。

「お疲れ様、美羽」

ニコっと笑って私からケーキを受け取ってくれて。

「お邪魔します……」

妙に畏まってしまいながら私は部屋に入る。

そんな私の様子をクスクス笑いながら潤さんはどうぞ、と言ってくれた。
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