イジワル上司に甘く捕獲されました
思い出をひとつずつ取り出しながら自宅に戻ると。
真央が帰宅していた。
「お帰り、美羽ちゃん。
歓迎会どうだった?
今日は酔っぱらってないの?」
軽口を叩くように玄関で出迎えてくれた真央は私の表情を見て心配そうに眉をひそめた。
「……何かあったの?」
「……うん。
ただいま、真央」
自室に荷物を置いて部屋着に着替えた私の後ろをついてくる真央。
開け放したドアの入り口にもたれながら私を見ている真央に話しかける。
「……峰岸さんっているじゃない?」
「ああ、瀬尾さんの後任ってことで赴任してきた人?
美羽ちゃんを嫌な目つきで見る感じの悪い人?」
真央の描写の仕方に苦笑しながら私は続ける。
「……潤さんが過去に付き合ってた人なんだって。
今日、歓迎会の最中に峰岸さんと話して……潤さんが私と付き合ってるって峰岸さんにハッキリと言ってくれたんだけど……私のことは受入れられないみたいだった」
「えっっ、何それ?
元彼女なの?
何でそんな人が転勤してくるのよ、意味わからない!
……待って、ということは、瀬尾さんを好きなんだよね、うわ、キツい、それはキツいわ、美羽ちゃん!」
あけすけな真央の言い方は今の私には何だか好ましくて、笑ってしまった。
「もう、美羽ちゃん、何笑ってんの?
瀬尾さんは何て?
……毎日顔を会わせるのも嫌だけど社会人として一緒に仕事しなくちゃいけないのも辛いわ……居心地悪い……」
眉間にシワを寄せながら腕組みをして考え出す真央。
「うん……でも過去のことだし。
潤さんが過去に誰かと付き合っていたこととかは当たり前のことだし、私がとやかくいうことじゃないし。
でも……二人に何があったのかとかそういう私を心配させないために瀬尾さんは話をしようとしてくれてるみたいなの」
「わかった、今から行くのね?」
頭の回転が速い妹はニッコリ笑った。
「そういうことなら、早く行って聞いてきなよ。
私、明日早番だから心配だけど先に休むね?
何かあったら起こしてよ。
あ、明日帰ったら詳しく聞かせてね」
真央が帰宅していた。
「お帰り、美羽ちゃん。
歓迎会どうだった?
今日は酔っぱらってないの?」
軽口を叩くように玄関で出迎えてくれた真央は私の表情を見て心配そうに眉をひそめた。
「……何かあったの?」
「……うん。
ただいま、真央」
自室に荷物を置いて部屋着に着替えた私の後ろをついてくる真央。
開け放したドアの入り口にもたれながら私を見ている真央に話しかける。
「……峰岸さんっているじゃない?」
「ああ、瀬尾さんの後任ってことで赴任してきた人?
美羽ちゃんを嫌な目つきで見る感じの悪い人?」
真央の描写の仕方に苦笑しながら私は続ける。
「……潤さんが過去に付き合ってた人なんだって。
今日、歓迎会の最中に峰岸さんと話して……潤さんが私と付き合ってるって峰岸さんにハッキリと言ってくれたんだけど……私のことは受入れられないみたいだった」
「えっっ、何それ?
元彼女なの?
何でそんな人が転勤してくるのよ、意味わからない!
……待って、ということは、瀬尾さんを好きなんだよね、うわ、キツい、それはキツいわ、美羽ちゃん!」
あけすけな真央の言い方は今の私には何だか好ましくて、笑ってしまった。
「もう、美羽ちゃん、何笑ってんの?
瀬尾さんは何て?
……毎日顔を会わせるのも嫌だけど社会人として一緒に仕事しなくちゃいけないのも辛いわ……居心地悪い……」
眉間にシワを寄せながら腕組みをして考え出す真央。
「うん……でも過去のことだし。
潤さんが過去に誰かと付き合っていたこととかは当たり前のことだし、私がとやかくいうことじゃないし。
でも……二人に何があったのかとかそういう私を心配させないために瀬尾さんは話をしようとしてくれてるみたいなの」
「わかった、今から行くのね?」
頭の回転が速い妹はニッコリ笑った。
「そういうことなら、早く行って聞いてきなよ。
私、明日早番だから心配だけど先に休むね?
何かあったら起こしてよ。
あ、明日帰ったら詳しく聞かせてね」