イジワル上司に甘く捕獲されました
自分のカップを持って潤さんは私の隣に座った。
ソファのスプリングが軋む。
「……今日はごめんな」
ポツリと言う潤さんに首を小さく横に振る。
「……峰岸とは同期でさ。
最初に配属された店が俺と尚樹と峰岸は一緒だったんだ。
峰岸は同期の中では数少ない女性の渉外担当だったから、色々な意味で周りからは注目されてた。
……あの通り物怖じしない性格だし、仕事もできたから。
俺らはよく三人で相談したり、飲みに行ったりしていた。
俺にしたら、初めての気が合う異性の友達、仲間ができた感じだった……自慢する訳じゃないけど……それまで異性からは恋愛対象で見られることが多かったから」
カップの中の揺れる表面を見つめながら潤さんは少し懐かしそうに話す。
入社したときの潤さんは私には想像があまりつかないけれど、今と変わらずきっと素敵な人だったんだろう。
「入社してから二年近く経った時、峰岸に付き合ってほしいって言われたんだ。
友達からでいいから、と。
正直、峰岸は恋愛対象の異性っていうより、同志みたいに思っていたから戸惑った。
だけど、好きか嫌いで言われたら好きだったし、気も合っていたから、上手くやっていけるんじゃないかと思って付き合い始めたんだ。
……付き合ってるとはいっても今までの距離感とあまり変化はなかったし、俺もアイツも仕事を優先する姿勢は変わらなかった。
そのせいか、支店内で俺達の関係に気付いている人はいなかったよ」
私は何か、物語を聞くような気持ちで俯きながら話す潤さんを見つめる。
潤さんは何を思っているのかわからない表情をしている。
ソファのスプリングが軋む。
「……今日はごめんな」
ポツリと言う潤さんに首を小さく横に振る。
「……峰岸とは同期でさ。
最初に配属された店が俺と尚樹と峰岸は一緒だったんだ。
峰岸は同期の中では数少ない女性の渉外担当だったから、色々な意味で周りからは注目されてた。
……あの通り物怖じしない性格だし、仕事もできたから。
俺らはよく三人で相談したり、飲みに行ったりしていた。
俺にしたら、初めての気が合う異性の友達、仲間ができた感じだった……自慢する訳じゃないけど……それまで異性からは恋愛対象で見られることが多かったから」
カップの中の揺れる表面を見つめながら潤さんは少し懐かしそうに話す。
入社したときの潤さんは私には想像があまりつかないけれど、今と変わらずきっと素敵な人だったんだろう。
「入社してから二年近く経った時、峰岸に付き合ってほしいって言われたんだ。
友達からでいいから、と。
正直、峰岸は恋愛対象の異性っていうより、同志みたいに思っていたから戸惑った。
だけど、好きか嫌いで言われたら好きだったし、気も合っていたから、上手くやっていけるんじゃないかと思って付き合い始めたんだ。
……付き合ってるとはいっても今までの距離感とあまり変化はなかったし、俺もアイツも仕事を優先する姿勢は変わらなかった。
そのせいか、支店内で俺達の関係に気付いている人はいなかったよ」
私は何か、物語を聞くような気持ちで俯きながら話す潤さんを見つめる。
潤さんは何を思っているのかわからない表情をしている。