イジワル上司に甘く捕獲されました
「す、す、すみませんっ。
お、重かったです……よね……」
「いや、別に?
っていうか、橘、酔うとこんな感じか……ってよくわかったよ。
お姫さま抱っこをしてくれないと帰りません!ってすっごい駄々こねてたよ」
思い出したのか、クックッと低い笑い声が伝わってくる。
私はもう真っ赤を通り越して、顔は茹でダコ状態になっている。
「……も、申し訳ありません……。
以後気をつけます……」
穴があったら入りたい……むしろ、明日から転勤したい……。
「あ、あの。
ご、ご迷惑ついでなんですが……」
「何?」
勢いに任せて私は続ける。
「じ、実家の母が大量に素麺を送ってきまして……。
昨夜ご迷惑をおかけしたお詫びにもならないですが、お裾分けというか……」
「くれんの?」
「は、ハイ」
「ラッキー。
じゃ、今から持ってきて。
俺七0三号室ね」
そして切られた電話。
はた、と我に返る私。
も、持ってきてって言った?
いや、持っていくつもりでしたけど、こんな軽く、しかも今って……。
でも、すぐ行かないとまた何か言われそうだし……。
ってか、七0三号室って私の真上……。
スマートフォンを手にしたまま、再び悶々と悩み出したけれど。
とにかく、行かなくてはと素麺を手近な紙袋にいれて。
服装に悩みそうになったけれど。
元々引っ越してきた日に、散々な状態を見られているのだからと自分に言い聞かせて。
ジーンズと嫌味ではない程度にフリルのついたカットソーに手早く着替えて。
家を出た。
お、重かったです……よね……」
「いや、別に?
っていうか、橘、酔うとこんな感じか……ってよくわかったよ。
お姫さま抱っこをしてくれないと帰りません!ってすっごい駄々こねてたよ」
思い出したのか、クックッと低い笑い声が伝わってくる。
私はもう真っ赤を通り越して、顔は茹でダコ状態になっている。
「……も、申し訳ありません……。
以後気をつけます……」
穴があったら入りたい……むしろ、明日から転勤したい……。
「あ、あの。
ご、ご迷惑ついでなんですが……」
「何?」
勢いに任せて私は続ける。
「じ、実家の母が大量に素麺を送ってきまして……。
昨夜ご迷惑をおかけしたお詫びにもならないですが、お裾分けというか……」
「くれんの?」
「は、ハイ」
「ラッキー。
じゃ、今から持ってきて。
俺七0三号室ね」
そして切られた電話。
はた、と我に返る私。
も、持ってきてって言った?
いや、持っていくつもりでしたけど、こんな軽く、しかも今って……。
でも、すぐ行かないとまた何か言われそうだし……。
ってか、七0三号室って私の真上……。
スマートフォンを手にしたまま、再び悶々と悩み出したけれど。
とにかく、行かなくてはと素麺を手近な紙袋にいれて。
服装に悩みそうになったけれど。
元々引っ越してきた日に、散々な状態を見られているのだからと自分に言い聞かせて。
ジーンズと嫌味ではない程度にフリルのついたカットソーに手早く着替えて。
家を出た。