イジワル上司に甘く捕獲されました
階段で七階に上がって、玄関の呼出しボタンを押す。
一階違うだけで、随分雰囲気が違う気がするのは気のせいだろうか。
確認もされずに、ガチャッと開くドア。
「す、すみませんでしたっ」
瀬尾さんの顔を見る前に、頭を下げる。
「お姫さま抱っこ?」
聞きたくない言葉を再び聞く私。
「橘の小さい頃からの夢だって言ってたよ」
「な、何……」
思わず顔を上げると、Tシャツに私と同じようなジーンズを履いた瀬尾さんがいて。
休日だからか黒いフレームの眼鏡をかけていた。
眼鏡の奥の瞳はイタズラっ子の様におもしろがっていたけれど。
半分開いたドアにもたれ掛かる様は、さながらモデルのようで。
やっぱり綺麗な人だなあと一瞬見惚れて、再確認した。
それと同時に始まる私の速い鼓動。
うるさすぎて瀬尾さんに聞こえそうだ。
「お、重たかったと思いますし、じ、上司にとんでもない失態を……」
しどろもどろで口を開く私に。
「いや、そんな重たくなかったよ、むしろ軽かった。
橘、ちっこいからなあ。
ちゃんと食ってる?」
私の顔を覗きこむかのように近づいてくる瀬尾さんの顔に。
私の顔が火をふく。
「こ、こ、これ、素麺ですっ、どうぞ!」
バッと瀬尾さんの近づいてくる顔面に紙袋を押し出す。
一階違うだけで、随分雰囲気が違う気がするのは気のせいだろうか。
確認もされずに、ガチャッと開くドア。
「す、すみませんでしたっ」
瀬尾さんの顔を見る前に、頭を下げる。
「お姫さま抱っこ?」
聞きたくない言葉を再び聞く私。
「橘の小さい頃からの夢だって言ってたよ」
「な、何……」
思わず顔を上げると、Tシャツに私と同じようなジーンズを履いた瀬尾さんがいて。
休日だからか黒いフレームの眼鏡をかけていた。
眼鏡の奥の瞳はイタズラっ子の様におもしろがっていたけれど。
半分開いたドアにもたれ掛かる様は、さながらモデルのようで。
やっぱり綺麗な人だなあと一瞬見惚れて、再確認した。
それと同時に始まる私の速い鼓動。
うるさすぎて瀬尾さんに聞こえそうだ。
「お、重たかったと思いますし、じ、上司にとんでもない失態を……」
しどろもどろで口を開く私に。
「いや、そんな重たくなかったよ、むしろ軽かった。
橘、ちっこいからなあ。
ちゃんと食ってる?」
私の顔を覗きこむかのように近づいてくる瀬尾さんの顔に。
私の顔が火をふく。
「こ、こ、これ、素麺ですっ、どうぞ!」
バッと瀬尾さんの近づいてくる顔面に紙袋を押し出す。