イジワル上司に甘く捕獲されました
「……お邪魔します……」
そうっと踏み入れた玄関は我が家と同じで。
間取りが少しだけ違っていた。
ふわっと香る瀬尾さんの匂い。
当たり前だけど家中が瀬尾さんの香りに包まれている。
何だか瀬尾さんがすごく近くにいるような気がして落ち着かない。
意味もなく恥ずかしくてバクバクうるさく暴れだす心臓を無視したくて。
「ひ、広いですね……」
頭に浮かんだ言葉を口にする。
私の後ろから、玄関に施錠をしてついてきた瀬尾さんは。
「そうか?
あんまり物がないからじゃないか?」
とアッサリ。
瀬尾さんとの距離が近付くと更に香りが濃くなった気がして。
やっぱり落ち着かない私は、無理矢理部屋を見回す。
男性の部屋だからかすごくシンプルな感じに見える。
濃いチョコレート色をしたフローリングの床に、ドアも台所もテーブルセットも全て同系色で。
リビングの真ん中に置かれたL字型の深いグリーンのソファがすごくお洒落で、ピッタリと部屋の雰囲気に合っていて。
リビングの奥とひと続きになっているスペースは書斎なのか大型のパソコンや書架が置いてある。
今まで仕事をしていたのかパソコンを置いてある机には書類が積まれていた。
「……ジロジロ、見るなよ」
眉間にシワを寄せて瀬尾さんが私の顔を再び覗きこむ。
「はっ、あっ、ハイ。
いえっ、キレイにしてらっしゃるなあと……私の部屋と雰囲気が全然違うなあと……」
近すぎる距離にドギマギしながら、いっこうにひかない顔の熱をもて余す。
「そりゃ、そうだろ。
俺は男の一人暮らしだし。
お前は姉妹で住んでいるんだし」
「はあ……。
瀬尾さん、スゴいですね……この高級マンションに一人暮らしって……」
そうっと踏み入れた玄関は我が家と同じで。
間取りが少しだけ違っていた。
ふわっと香る瀬尾さんの匂い。
当たり前だけど家中が瀬尾さんの香りに包まれている。
何だか瀬尾さんがすごく近くにいるような気がして落ち着かない。
意味もなく恥ずかしくてバクバクうるさく暴れだす心臓を無視したくて。
「ひ、広いですね……」
頭に浮かんだ言葉を口にする。
私の後ろから、玄関に施錠をしてついてきた瀬尾さんは。
「そうか?
あんまり物がないからじゃないか?」
とアッサリ。
瀬尾さんとの距離が近付くと更に香りが濃くなった気がして。
やっぱり落ち着かない私は、無理矢理部屋を見回す。
男性の部屋だからかすごくシンプルな感じに見える。
濃いチョコレート色をしたフローリングの床に、ドアも台所もテーブルセットも全て同系色で。
リビングの真ん中に置かれたL字型の深いグリーンのソファがすごくお洒落で、ピッタリと部屋の雰囲気に合っていて。
リビングの奥とひと続きになっているスペースは書斎なのか大型のパソコンや書架が置いてある。
今まで仕事をしていたのかパソコンを置いてある机には書類が積まれていた。
「……ジロジロ、見るなよ」
眉間にシワを寄せて瀬尾さんが私の顔を再び覗きこむ。
「はっ、あっ、ハイ。
いえっ、キレイにしてらっしゃるなあと……私の部屋と雰囲気が全然違うなあと……」
近すぎる距離にドギマギしながら、いっこうにひかない顔の熱をもて余す。
「そりゃ、そうだろ。
俺は男の一人暮らしだし。
お前は姉妹で住んでいるんだし」
「はあ……。
瀬尾さん、スゴいですね……この高級マンションに一人暮らしって……」