イジワル上司に甘く捕獲されました
「だって俺、美羽ちゃんが同じマンションの、しかも潤の真下の部屋だなんて今日初めて聞いたからさ」

「……お前が聞かなかったからだろ」

「あっそ。
まあ、そういうことにしとこうか。
でも美羽ちゃん、私服も可愛いね。
本当に子猫みたいだよね、何か」

こ、子猫?

私が変な表情をしていたのか桔梗さんは豪快に笑いだした。

「ハハッ、ごめん。
いや、さっきエレベーターの中で、平田くんと潤と真央ちゃんは凜とした大人の猫みたいな感じがするけど、美羽ちゃんは子猫か子ウサギみたいだよねって話してたんだよ」

……お気の毒な翔くん。

初対面でいきなりこんな癖のある人達にあれこれ聞かれるなんて。

「……何なんですか、そのイメージ……」

「え?
ピッタリじゃない?」

「全然ですよっ」

憤慨する私を笑いながら桔梗さんが話を変える。

「まあ、折角こうして出てきたんだし、仲良く三人でランチしようよ。
何が食べたい?
勝手に決めて大丈夫?」

何だかやっぱり私が子猫だということに納得はできないけれど頷く私に。

桔梗さんはスマートフォンを出してきて何やら操作している。

「店探しは尚樹に任せておけ。
色々な店に行っては誰かに声をかけてきているから」

頭上から降ってくる声の主を見上げると。

少し申し訳なさそうな色を瞳に滲ませた瀬尾さんがいた。

「……悪かったな。
強引に連れてきて」

「……いえ、どのみちお昼をどうしようかと思っていたので……ビックリしましたけど……。
さ、誘っていただいてありがとうございます」



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