【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
「ハハッ。わ、わかってるよ……」
そんなこと本気で言うわけない……。
わかってるのに私は何を焦ってるんだろう。
私を叩いたその手の甲で口許を隠す桐生秋十は目を伏せる。
「……蜷深」
……と。
その時、背後から声をかけられた。
「えっと、確か……山本くん?」
振り返るとクラスメイトのスポーツ男子、山本くんが出口の扉から中へ入ってきてニコリと笑った。
「あのさ、明日一緒に帰らない?」
「えっ………!?」
「いきなりごめんな?でもオレ……前から蜷深と話したいなぁって思っててさ」
ポリポリと頬を掻くと照れたように笑った。
私と一緒に……?
私と話したいと思ってた……?