Spice‼︎
梨花が部屋に戻ると
風間が夕飯の支度をしていた。

「出掛けなかったの?」

「昨日あんまり寝てないから眠くて…いつの間にか寝てました。

結局さっきまでうとうとしてました。

梨花さんはどこに行ってきたんです?」

「ヒロくんの店。」

「そうなんですか…」

風間は梨花がヒロに抱かれて来たのかと勘ぐってしまう。

「あの人と…してきたんですか?」

梨花は何も言わずに服を脱いで
バスルームに入ってしまった。

シャワーを浴びているといきなり風間がドアを開けた。

「何?」

「僕がいるのに、あの人と別れないつもりですか?」

梨花はその質問には答えずにシャワーを浴び続ける。

「風間くんにはもう関係ないでしょう?

ドア閉めて…出てって…」

しかし風間はバスルームに服のまま入って来て
シャワーを浴びてる梨花の前に立ち、
いきなりキスしてきた。

シャワーがかかった風間の髪が濡れて梨花の胸に水滴がポタポタと落ちてく。

梨花は抵抗したが、風間はその手を抑え
何度もキスをした。

「僕とやり直しましょう。」

「社長が許すと思う?

私、会社は辞めたくないし、ヒロくんとも別れたくない。」

梨花はそう言って風間を突っぱねると
バスルームを出て行った。

風間がびしょ濡れで出てくると
梨花は急いで服を着て髪も乾かさないまま出て行こうとしていた。

「梨花さん、髪…濡れてる。風邪ひきますよ。」

風間が梨花の腕をつかんで止めると

「今、ここに2人で居たら…
私…きっと風間くんに抱かれちゃうでしょ?

そうなったら困るの。」

そう言って風間の腕を振りほどいて出て行った。
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