ある日、ビルの中、王子様に囚われました。
私が眠りに付いてからそんなに時間は経ってないはずだから、きっと仕事が終わって始発もなくて仕方なく此処に来たんだ。
帰れないほど忙しいなんて。
ベッドからシーツをズルズル引きずりつつ持って、天宮さんにかけた。
社長がいない会社を、たださえ頑張って支えているのに。
ほぼ他人みたいな状態とは言え、うちの親戚たちが毎日会議開いて更に忙しくさせて。
そして私みたいな、平凡で貧乏で、とくに秀でたものも無い人を保護してくれて。
……もしかして私が惨めにならないように、プロポーズして婚約者のふりをしてくれたのかな?
「んん」
シーツに包まって、ちょっとだけ熱くなったのか顔を隠していた腕を外して此方に寝返りを打つ。
無防備な、ちょっと隙がある天宮さんの寝顔を見ながら、それでも私はここに居たいって願ってしまった。
この寝顔を一人占めしてみたい。
離れたくなくて、天宮さんの寝顔を見ながら、気付けばまたうたた寝していた。